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AIプロジェクトの進め方とは?失敗する原因を事前に把握してから取りかかろう!

多くの企業でDXが推進されている現代、AI(機械学習やディープラーニング)などを業務に取り入れる動きも活発になってきています。しかし、発足されたAIプロジェクトがすべて成功しているわけではないようです。それは、AIの技術に関する問題や、AIをビジネス視点で俯瞰(ふかん)できる人材などがいない、あるいはAIプロジェクト自体を手探りで進めているなどの原因が考えられるのではないでしょうか。本コラムでは、AIプロジェクトの進め方を確認しながら、発足させても失敗してしまう原因についてみていきましょう。

AIプロジェクトとは

AIプロジェクトとは、多くの場合AIによる事業価値向上やコスト削減を目的としています。それら成果を期待して、さまざまな企業がAIプロジェクトを立ち上げるといった動きも活発になってきているのです。

実際にAIプロジェクトをはじめる際は、AIに対する知見や開発技術、AIを導入することで得られる実質的なメリットを明確にしなければなりません。AIはシステム作だけではなく、多くの要素が必要なことに気付かされるでしょう。また、AIに対する知識や経験・技術だけでなく、自社にAIを取り入れた場合のビジネス視点も大切であることがわかるはずです。

つまり、AIプロジェクトとは、知識・技術・業務理解・経営視点からの「AIの価値」と、そこから生み出される「自社への成果」を明確にしなければならないものなのです。

AIプロジェクトに必要なこと

それでは、実際にAIプロジェクトを行う際に必要なことをみていきましょう。

AIの知識

まず必要なのは、AIが何であるかという知識です。

AIには、機械学習やディープラーニングがあり、それぞれが何を意味するのかを理解しましょう。そして、今想像しているAIを導入するためには何が必要なのかを判断できるようにならなければなりません。

これらを、具体的にイメージできるだけの「AIに対する知識」が必要です。

AIで何ができるのかを明確化する

自社にAIを導入した際に、AIがどのような業務を担うのかを明確にする必要があります。

さらに、AIがその業務を担った際に、自社にどのようなメリットがあるのかを具体的に明確化しなければなりません。たとえば、業務が効率化する、人件費を削減できる、社会的に「AIを導入している企業」としての価値がどれくらいになるのかなどを定量的に計測することが大切です。

AIに関する人材

AIを導入するならば、AIに精通する人材を自社で採用することが大切です。

AIを活用するためには、以下のような能力を有する人材が必要だと考えられるでしょう。

  • 新旧問わずに広く情報収集できる能力
  • 論理的に課題解決ができる能力
  • 業務を遂行する能力
  • 高いコミュニケーション能力 など

たとえば、AIをはじめとした新技術に対しては情報収集能力が欠かせません。また、どのような業務をAIに置き換えられるかを論理的に考える能力も必要でしょう。

これら能力を有する人材については、自社に1人いればよいというわけではありません。導入するそれぞれの業務(部署など)から、AIと業務をつなげる担当者が必要ですし、AIプロジェクト全体を統括する人材も必須だといえます。

AIプロジェクトの管理

AIプロジェクトを立ち上げるならば、プロジェクト管理が必要です。

プロジェクト管理をするためには、業務にAIが導入された後の「ゴール」が見えていなければなりません。AI開発における全体的なプロジェクトの流れをイメージし、そのゴールへ導くための効率的で整理された管理が望まれます。

もちろん、AIの開発進捗を管理するだけではなく、他業務や現場と調整するスキルなどが必要です。

AIプロジェクトの進め方

AIプロジェクトは、実際にはどのように進行していくのでしょうか。ここでは、AIプロジェクトの一般的な進め方を確認していきましょう。

企画

AI導入を決めたら、まずは事業の方向性を決めてプロジェクトを発足させ、企画段階に入ります。

ここでは、AIで何がしたいのか、どのようなメリットを得たいのかを明確化しましょう。また、そのためには現状にどのような課題があるのかを洗い出す必要があります。

これら企画を進めるために必要なのが、AIプロジェクトチームです。AIに精通する人材や、AI導入に関わる各部署の担当者を集め、AIプロジェクトのメンバーでチームを結成します。

調査

AI導入での目的や課題が洗い出されたら、調査に入ります。

自社業務にAIを導入するにあたり、何が必要か、どこがAIに置き換えられるのかを明確にして、チームで共有して調査を開始しましょう。

すでにAI導入の大まかな業務が決まっている場合でも、細かな作業の中にはAIに適さない業務があるかもしれません。AIを開発するためにどのような方法があるのか、どの手法でAI導入を進めていくのが効率的なのかなどを調査する必要もあります。

たとえば、AI開発会社に外注をするのか、外注をするならばどのように進めていくのか、開発会社との調整などはどうやって行えばよいのかも細かくイメージしておくことが大切です。

また、調査の結果、課題などを解決するためにどのような人材がいるのかといったリソースについても検討・判断するフェーズだといえるでしょう。

人材の確保

AIを導入するために必要な調査が完了したら、次は人材の確保です。調査で判明した課題を解決するために必要な人材を得る方法を決め、実行しましょう。

たとえば、外部からAIに精通した人材を採用するのか、社内でAI全般を任せられる人材を育成するのかなどが、人材確保における最初の選択肢になるのではないでしょうか。また、AIプロジェクトは「AIを知っている人材」だけでは成立しません。AIプロジェクト全体を統括する人材も必要です。

しかし、AIを熟知し、自社の業務も把握していて、AIとビジネスをつなげるために全体を俯瞰できる人材は一朝一夕では育成できません。

AIに精通する人材が社内におらず、自社で育成することが難しければ、他社の育成サービスなどを利用・相談することも選択肢のひとつとして検討しましょう。

開発

AIを導入する目的とメリット、最終的なイメージが固まり、人材を確保・育成できたら、いよいよAIの開発です。

企画や調査段階で洗い出された課題や問題点を加味して、実現可能なシステムとして形作り、実際の開発を行っていきます。

運用

AI開発が完了したら、いよいよシステムを実務で運用します。ただし、AIのシステムは最初から期待値に達することが少ないことを理解しておきましょう。

AIは、運用していくことで少しずつ学習して、理想の形を形成していきます。そのため初期段階では、運用中に新たな課題などが生まれることも少なくありません。ただし、それら課題はAIを成長させるための大切なデータとしてとらえましょう。発生した課題はデータとして収集し、AIモデルを更新していくのです。

これら作業を繰り返していくことでAIは自社の一部として稼働できるようになります。徐々に精度を高めていくためにも、AIプロジェクトは進行し続けるのです。

AIプロジェクトはなぜ失敗するのか

AIプロジェクトは失敗する事例が少なくないことも事実です。では、なぜ失敗してしまうのでしょうか。ここでは、考えられる原因をみていきましょう。

「AI」が万能であるという誤認がある

AIプロジェクトが失敗する理由のひとつには、「AI」に対する過度な期待があります。

AIに対して「自動的に何でもやってくれる」といったイメージが先行している場合が多いのです。また、AIを取り入れたその日から、万能に動くシステムだという誤認もあるでしょう。

上述したように、AIはシステムとして運用するものであり、運用しながら学習することで精度が上がっていくものです。この部分を理解していない場合、AI導入直後に期待した成果が得られず、システムを使わなくなる可能性があります。また、AIがどのような業務に向いているのか、自社のどのような業務がAIに置き換えられるのかを判断できる「AIリテラシー」をもつ人材がいなければ、AIプロジェクトは失敗する可能性が出てくるのです。

AIリテラシーについては、「AIリテラシーが低いと何が起こる?その高め方と人材育成の重要性」にて詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

AIで何をするのかが明確化されていない

「AIを導入する」ことが目的になってしまい、「AIで何をするのか」が明確になっていない場合があります。

「業務のこの部分をこのようにしたい」「それにはAIが適している」といった順序で、AIを利用する目的が明確になっていなければ、AIプロジェクトは失敗する可能性が高くなるのです。これは、AIプロジェクトの企画段階での失敗だといえるでしょう。

AIプロジェクトと現場の意識が統一されていない

AI導入において、上層部やAIプロジェクトメンバー、そして現場の意識が統一されていない場合、大きな問題となることがあります。

特に、AIの技術面を先行して、エンジニアだけでAI開発をしようとすると失敗する可能性が高くなります。それは、「エンジニアはAIの精度を上げることが目的」「現場は業務の効率化が目的」などと、作っているものと実現したいものに大きなギャップが生じて、現場との足並みがそろわなくなるからです。

その結果、開発したAIのシステムが使われないなどの事態を招く可能性があります。

AIプロジェクトを管理できない

自社へのAI導入目的が明確になっていても、AIプロジェクト全体が管理できていない場合には失敗する可能性があります。

たとえば、スケジュール通りに進まず余計なコストがかかったり、仕様変更に対応できなかったりすることが考えられます。また、システムに必要なデータが収集できなかったり、その他業務との兼ね合いで現場へのAI導入タイミングがずれてしまったりするなども失敗原因となるでしょう。

そもそも適した人材がいない

自社の業務やAIに関する知識、AIエンジニアやAIとビジネスに精通するビジネスプランナーなどの人材がいないことも、AIプロジェクトが失敗する原因になります。この場合、企画段階や調査段階で十分な準備ができていない可能性が高いといえるでしょう。

AIプロジェクトを成功させるためには、それぞれに適した人材の採用・育成が必須だといっても過言ではありません。

自社内にAIプランナー(ビジネスプランナー)やAIエンジニア、AIリテラシーをもつ人材がいない場合には、外部の研修を利用した育成も視野に検討してみましょう。

AIプロジェクトには知識・判断力、開発スキルをもつ人材が必要

AIプロジェクトは、AI導入目的の明確化と、その目的を実現できる人材が大きな成功要素だといえるのではないでしょうか。目的を明確化する企画や調査段階から、「業務の何をAIに置き換えられるのか」を判断するスキルや経験をもつ人材が必要です。自社にAIを導入するならば、AIプロジェクトを成功に導くための人材採用や育成手段を視野に入れながら進めていくとよいでしょう。

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